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ずっと会えなくて、
我慢しろって言われてた。

やっと会えるようになったのに、いつ会えるか聞いたら言葉を濁された。

この前、あいつにあげた柿は
一緒に食べたくてあげたものだったのに

 
『なーんちって。
元々あげたもんだし、好きに食べていいよ。

何度も押し掛けて迷惑だよね。
わがまま言ってごめんね。』


金曜日にそう送って、返事がなかった。
もう行くのをやめようと思った。
彼にとっての私は
ただの友達なのだから。

 

『今日飯食いに来るの?
来るならカツを買うんだが』

土曜日の夕方、メールが来ていることに気付かなくて
一時間後に見て慌てて電話した。

「カツ食べたい!」
「時間切れ。カニクリームコロッケなら」
「カニクリームコロッケがいい!」
「金半分出せよ」

 

嬉しくて嬉しくて
みんなの前なのにテンション上がってた。

 

けれど家行ってから
段々とむなしくなってきて

金曜日ずっと遊んでいたという話を聞いて
メール返ってこなくてブルーだった俺と正反対で
あいつにとっての俺の存在はなんでもなくて
ただ迷惑なだけじゃないかって


「柿剥くよ」
「いいよ、持って帰ってよ。剥くの面倒くさいしゴミ面倒じゃん」

あーあ。
一緒に食べたくて持ってきたこと
あいつは一生知らないままなんだ。

もうやめようと思った。
こんなの、むなしいだけだ。
友達にしかなれないのに、俺は一喜一憂してしまう。
友達相手なのに。


けれど、帰り際
「柿、持ち帰るよ」
「剥いて持ってきてよ」
「やだよ、どうやって持ってくんの」
「じゃあ剥いてよ。俺剥くの面倒くさい」
意味が分からなかった。さっきと言ってることが違う。
「ゴミの処理が面倒なんじゃないの?」
「いや、瀬戸さんだと皮散らかすから片付けが面倒」
驚きの声を漏らしながら、俺は反論する。
「三角コーナーに入れるわ!」
「じゃあ今度剥いて」
あいつの発言の意図を確かめるよう、一瞬間を空けて聞いた。
「今じゃダメなの?」

今度、なんて
もうないんじゃないの?
昨日、メール返さなかったくせに

 
「今はもう食べたくない。歯磨きしたし」
「……早くしないとジュクジュクになるじゃない」
「うん、早くじゃないとダメだね」

 

きらいだ。
こいつ、だいきらいだ。


 

階段から手を振るあいつを背に
自転車で駆け出してから呟いた。

ばか、だから
また来ちゃうんじゃない。

 

早く会いたくなるんじゃない。

 


たった二文字を言った瞬間
すべてが壊れてしまう関係なのに

 



好き、なの。
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