今更

今更来たって、もう遅いよ
私はあなたをもう、待てない。
でもあなただって、待って欲しいなんて思ってないでしょう？

だってあなたは、私を選ばなかった。
あの時だって、あなたがそのまま止まってくれてたら
私は謝って、また二人で笑い合えたかもしれないのに
あなたは私から、逃げたのだから。
それも、二回もね。

それは、あなたがここに来ることよりも明確で。

そう、私があなたを選ばなかったのではなくて、
あなたが私を選ばなかった、ってこと。

　

そう考えると、悲しいよ。
でもそうなったのも全部、私が悪いから。

あなたは５ヶ月も待ってくれたのに
それでも帰らなかった私を、あなたは捨てたのは
とても当然なこと。

でも、汚くなった私を
あなたはきっと、受け止められなかったでしょう。
だから私は、帰れなかった。
そんな私を拒絶するのは、ひどく当たり前で。
　

でも、ねぇ、あの日に帰れないかな……？
　

もう引き返すことも出来ない道を進んでるのに、そんな言葉は戯言に過ぎなくて。

でも私はもう、少しずつ、あなたを忘れている。

あの幸福な時間を、
抱き締められてるだけで幸せな
キスだけでいけそうな
あの時間を、私はもう忘れ始めている。

どんなに欲しがっても、捨てたのはあなただから
だから、私は忘れることしか出来ない。

君が女の子として私の前に現れたことも、好きになってはいけなかったんだって意味してる。

あなたはパスワードを知らない。
だから、この文章を読むこともない。

もう、私とあなたの距離は遠過ぎて、
あなたの数字が変わってしまえば、簡単に赤の他人になれる。

でもね、あなたが分かるように簡単なパスワードにしたなんて、
あなたは知らないことなんだろうね。

忘れたいよ、いい加減に。
あなたのことなんて、全部。

なのに今でも、あなたと同じ髪型の人を街中で探す自分がいて。
誰も代わりになんかなれないのに。

写真もまだ捨てられない。
あなたの笑顔も優しさも、
抱き締められるだけで満たされる温かさも
全部忘れたいのに。

でも本当は、病気を理由にするのではなくてね、
もっと二人で将来を見つめていけたら良かったね。

あなたの大事な体も心も、傷つけたのは
誰でもない、私だ。

　

だから私のことなんか、早く忘れたらいいのに
いい加減に、もう。
あの夏が過ぎて４年が経って、もう秋が来ちゃうよ。

あと、来るんだったら２日前が良かったな
おめでとうって、いつか笑って言って欲しかったの。
あの時だって、君は６日にあいつを通じてメールをくれたけれど

　

あぁ、再発してるあいつのことより
あなたのことを考えてしまっている私はとても、病んでるね。