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結果を先に言えば、お別れは告げられなかった。

先生は昨日渡したネクタイと前に渡したタイピンを付けてきてくれた。
先生が通り過ぎてから「やっぱ似合うよね」って言ったら聞こえたらしくて離れてたのにわざわざ寄ってきて見せてくれた。
まさか青いネクタイを渡すとは思ってなかったし7月生まれだからってピンに付いているのがピンク色の石で、合っていないのは申し訳ないけど、
最後の日にそうやって付けてきてくれたのが嬉しかった。

しばらくして先生が遺品だとか言って整理して出てきたものの中から、一人一つ選ぶことになって、私は扇子を貰った。
大切にしようと思う。

別れ際、ちゃんと挨拶をしようとしたら「じゃっ」って先生は言ってきた。
「軽過ぎませんか?」って聞いたら、先生はこう言った。

「また会えるんだから」

そう言って先生は行ってしまった。

しめっぽいのは良くない、ってことなのかな。
なんだかあっけなさすぎて、学校を出てから次に先生といつ会えるのかさえも分からないことに気付いた。

月曜になっても、春休みが明けても、先生はもう、この学校にはいない。
きっとまた、会えるだろう。
でも、それがいつ会えるのかさえ私には分からない。

月に1度は来るって言ったって、用が済めば帰っちゃうだろうし12回中先生と何度会えるかは分からない。

あぁ、だめだ。
もう会いたくなってしまっている私がいる。

会いたいよ…先生に、会いたいよ…。

今まで当たり前に過ぎていった日々に帰りたい。
先生が2年で行っちゃうって分かってたら、月曜の1時間目の古典に間に合うように今ならいくらでも頑張れるのに。
先生のことを好きなのに。

集合写真を添付したメールを土曜に先生に送る。
それで、メールも極力やめる。

部誌に先生に片思いをする生徒の物話を載せるだとか、
卒業式の日に「迷惑はかけたくないから、この手紙は職員室のシュレッターで粉々にして下さい」って最後に書いたラブレターを渡すだとか、
そんな馬鹿げたこともしなかったけど、

最後のメールは少し頑張って打とうと思う。

涙が止まらない。
先生を失いたくない。

でも、失いたくないって言った時点で私は先生を失っている。
だって、先生を失えるのは私だけなんだから。

「別れがあるからこそ出会いがある」
後輩がそう言った。
それは正しい。
別れるからこそ新たな人に出会うのだ。

でも、先生を失ってまで私は、出会うべき人がいるのだろうか。

最後まで自分の側にいるのは家族だ。
だけど、家族以上にそばにいて欲しかった。
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