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小説かな。でも、小説とは言えないかも知れない。
そんな小さなお話。

〜どこかにあるその国の話〜


住みよい国じゃなきゃ、国民は他国へ逃げてしまう。
もうすでに何人かの“その国”の国民は、「こんな国から逃げてやる!」と言っているけど。


昔は良い国だったのに、国王がいなくなってから突然何人かの独裁者が現れて、変わってしまったその国。


どうして、“あいつ”がいなくならないのだろう。国民の多くがそう思う。
もちろん、あいつとは独裁者の一人。

“あいつがめちゃくちゃにしたのに。
それなのにどうして国民がいなくなんなきゃいけないんだろう。”と。


でもいつかあいつも知るはず。
だって、何にも罪のない“その国民”をただ勝手に恨んで、“罰”を与えたのはあいつなのだから。

理由はどうせ、あいつはその国民が羨ましかったのだろう。
あいつの大嫌いな人間なのに、恵まれているその国民。
だからあいつは権力を使って“罰”を与えた。


そしてあいつと兵士は口を揃えて言う。
「すべてはその国民が悪いんだ!無礼を謝らないからだ!」と。

本当にその国民が悪いのか?
僕は“兵士の一人”に問う。 「その国民があいつに何をしたんだ?」と。
兵士は僕に答えた。 「それは分からない。」と。
支離滅裂な話だ。

それはその国民にとっても同じだ。
状況を飲み込めない。
なぜなら、その国民はあいつに対して何とも思ってなかったのに、勝手に恨まれて突然罰を与えられたのだから。

その国民は、どんなに罰を与えられても謝らなかった。
「何を謝っていいのか分からない。」当たり前だ。何もしていないのだから。
なのにあいつは、怒りが収まらない。
徹底的にその国民を潰そうとする。


ある日、兵士の一人が旅人に問う。
それは、旅人と兵士が今回のことで散々意見を出し合った後だった。
今どういう状況で、この行動についてどう思うか?とか。

その時に兵士は旅人に聞いたのだ。
「あなたは、誰が悪いと思いますか?」と。


僕には分からない。
なぜなら、さっき書いた理由はあくまで僕の想像なのだから。
これが本当だとしたら、話は別なのだが。


ただ、これだけはあいつに言いたい。

“どんなに自分の思い通りになるような国を作っても、
そこに国民がいなきゃ、国ではないんだよ。”と。


ただ、この言葉をあいつには絶対に言わない。
実は昔、僕とあいつは親しい友人だった。
そんな僕こそ、あいつにそう言うべきかもしれない。

でも、こんな理不尽なことをするあいつに言ったって、あいつは理解出来ないと思う。だから、決して言わない。

それに、僕がこの言葉をあいつに吐くとするのなら、
逆に今度は僕が“罰”を受け、最終的には永久国外追放の身になるだろう。


それは嫌だ。
僕は、この国が好きだ。
旅人だった僕を、受け入れてくれた唯一の国。
仲間たちがいる、僕の国。

ここは、あいつだけの国じゃない。


でも、僕は旅人ではなくここの国民でいたいと思う限り、
僕は今のあいつに対して、何も言えない。

失いたくない。失うのが怖い。
仲間も、あいつも。


兵士はそう聞くとニコッと笑ってうなづき、旅人の意見に納得したように見せたが、旅人と別れたあと、兵士はすぐに城の謁見の間に行った。

謁見の間には、あいつが一人。
兵士はドアを開け、あいつに言った。
「あの旅人は敵です。陰であなた様の悪口を言っておりました。」と。
あいつは言う。
「やっぱそうだったか。昔は、二人で肩を並べて歩いた仲だったのにな。
でも、私が嫌いだし怖いから正々堂々と言えないんだな。弱虫め。
…残念だが“罰”を与えるしかないな。」と。



それから先の、その国やその国民や兵士の一人や旅人やあいつがどうなったかは誰も知らない。
どこにも記録が残ってないし、ひょっとしてまだその国は残っていて、話はまだ、終わっていないのかも知れない。


だから、この話を君に贈るよ。
いつか、ちゃんとした言葉で君にすべてを言えるように。
君に分かってもらえるように、この話を君に贈るよ。


君だけに。




──────────────────────
新春早々小説なんて書いてすいません;
俺らしくない小説ですね。なのでここで発表。
これは今日作って今日書いた話。
一体何が言いたいのか、それはあえて書きません。
分かってしまった人は、“瀬戸の思考回路はこんな風に出来ているんだ”と思ってもらえればいいや、もう。(何)
でも、俺が倫理的に物を考えるときはこういう考えが多いです。
本当は日記として載せようと思ったけど、小説風にリメイク。
文芸部用はちゃんと恋愛モノ書きます。
つーかこういう文は言いたいことがあるときしか書けないんだよー(泣)

ちなみに元ネタは某友達の1月1日付の日記から。
本当はその記事の返事を書くためにやったんだけど、それ以前の話を書くためにこれを。
なんかどこかで…と思った人はもう気にしないで下さい。
あとこの話はオフで厳禁で;
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