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あの人の孤独に気付けた人は、どのくらいいるのだろう

 

あの人は週末に連続で深夜のバイトをしている。
そしてそのまま寝ないで、サークルやボランティアに行く。
『眠くて死ぬ』と、あの人は漏らしていた。

 
そしてあの人は平日の夜になると、車で誰かを駅や家まで送ったり、出掛けたりしてる。
お金を取るなんて野暮なことはしない。

辛いバイトで稼いだお金を
あの人はそうやって使う。

 
本当は家に帰りたくないからって
一人で食事をするのが寂しいからって
あの人は殆ど毎日、誰かと外食をする。
車があるからと、たくさんの人がついてくる。

 

そしてサークル室でよく横になって一人で眠っているあの人を
“何でもないこと”かのように、みんな考えてる。

なんでみんな気付かないのだろう

先輩に本当に必要なのは
お金を出さなくても出る温かいご飯と、
一人で眠らなくて済む温かい場所なのに

 

なんでみんな、先輩の行為をそのまま受け取ってしまうの?
あの人に本当は何が必要か分からないの?

分かっていて、
それでも分からないふりを続けていて
あの人の優しさをそのまま受け取っているのなら
私はその人に向かって笑えない。

 

今は、私はそばに居られないけど
出来ることなら、あの人のために場所を作りたかった。
受け止められる場所を

そう考えると、寮から出れないのが辛かった。

 

あの人の頭を撫でながら抱き締めて
温かい場所で、一緒に眠りたい。
あの人のためなら、
私だって頑張って食事を作ろうと思う。
いつ来たって誰も怒らない。
──“温かい家庭”が、私にもあの人にも必要だった。

 
『魂を削ってこそ生きてるって実感出来る』
そうやって自分の身を削ってまで、誰かを求め続けてて
『心配してたら、きりがないぞ。これがライフスタイルだもん。
それでもいいなら、世話焼いて』
そう言ったあの人を、受け止めたかった。

 
そこまで尽くしたいと思ったのは
あの人が初めてなんだ。

守られたかったけれど
同じくらい、愛したかった。

あの人が受け止めることはないと、分かっていても

 

あの人はいつだって、“誰か”を求めてる。
そばにいてくれる、誰か
甘やかしてくれる、誰か
ただ愛してくれる、誰か

──あの人は、小さな子供だ。
このサークルに偶然入ったのが表向きだとしたら、先輩はよく考えているしたたかな子供だ。
だってこのサークルの女性なら、先輩を受け止めることも出来るから。

けれど、それは表面上の優しさなだけで
みんな気付いてないから

 

 
私の想いが叶わなくても
いつか、あの人にそういう場が
そういう人が
現れて欲しいと思う。

 
前みたいに心の底からは喜べないけれど
今みたいに先輩の孤独を思って泣くこともないから
だから

 
だから誰か 気付いて。
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