気付いてた。

いなくなる前から気付いてた。

どんなに頑張ったって、私は一番にはなれないことを。

だって一番なのは、あの子でしょ？
他の生徒と大きな差を付けてトップだったあの子。
そしてそんなあの子は、私の友達。

いつだって誰もが、あの子に期待してた。
私はそんなあの子にはなれなかった。
だけどあの子になれないことなんて、本当は最初から分かっていた。
でも、私だってあんな風に期待されたかった。

だから私は、あの子が羨ましかった。
全てが恵まれてて、
誰からも愛されていて幸せなあの子。

全ての人から期待されたかった訳じゃない。
だけど、たった一人の人だけには、
私の未来を期待して欲しかった。

だけど、その人さえもあの子は奪っていった。
だからあの子がとても、羨ましかった。


きっと、あの子はそんな風に私が思っていることを知らない。