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逃げてた
甘えてた

分かってたつもりだったけど
どれくらい迷惑をかけたかは分かってなかった。

 

電話が来て
自分が投げ出したものを諭されて
信用を全て失っても回復出来るなんて甘くて
信用していたのに疑わなきゃいけない周りの苦しさなんて、考えてなくて
全部自分本位でやってきて

 

大学生という自覚がなくて
全部自分一人のことだと思ってて
周りに甘えてて
ズルくて卑怯で

 

こんな自分でも
責任を持たなくてはいけない場があって
それを投げ出すのなら、責任は果たさなきゃいけなくて

電話の最中になってやっと気付いた。
日曜午前までにやらなきゃいけなかったことさえやってない。
責任果たす云々以前の問題で
 

あのリーダーの話の時に
「忙しくても引き受けたのだから責任を果たすのは当然で、人として好きでも同情出来ない」
と言ったのは、誰でもない自分で。

 
帰りたくない、じゃない
帰らなければいけないんだ。

 

たくさんの人に迷惑かけておきながら
来週からまた普通に、なんて綺麗事なんか通るはずがなくて

そこにいたいのなら
やめたくないのであるなら
私は、行かなくてはならない。

来週以降の私が
そこに居られるように。

 

三十分近く電話していたけど
「行きます」という言葉を出さなければ、
もっと続いてしまっていたと思う

自分が足を踏み外す前に
そこまでして繋ぎ止めてくれた
責任を諭してくれた人がいることに
感謝するしかなくて

 

「『人に言われたから』じゃなくて、鏡見て自分でゆっくりよく考えて言われたこと咀嚼して来い」
そして、続いた言葉。
「よく食べてよく寝て、気を付けて帰っておいで」

 

他の人のこと全く考えてなくて
自分のことばっかで

安直に動いて、ごめんなさい。
PR
好いてくれる人がいて
信じたら、裏切られて
受け止めてもくれなくて
そんな人と付き合うとかは出来なくて

その人のことを好きだって言う人が何人かいて
でもその人は自分を選んで

それでも自分は、その人を信じられなかったら

 
いなくなることを
私は選ぶのだろうか
ベッドで眠っていたら
あいつが首を絞めてきた。

それは咄嗟的だったと言っていたけれど
支配欲かもしれないし
別の人から見れば、独占欲の表れかもしれない。

 

どちらにしても
あの日、私の首を絞めたあの人は
私をそうしたいと、思ってくれていたのだろうか

 
頭を撫でられることや
抱き締められることも あの日なかったけど
唯一された首絞めは
あの人にとって、気持ちの表れだったのかもしれない。

 
それはあまりにも歪んでいて
あの人らしいけれど
あの日、気付けなかった私がそばにいる権利は、
もうなくなってしまったのだろうか。

 
今、あの人の隣にいる人は
先輩のそういう歪みに、気付けるのだろうか

 

無抵抗だったのは
あの人にならそうされてもいい
と、思ったから。
昨日の夜会った友達は
雑然とした私の話を一から聞いてくれた

お互い眠くなって
「腕を貸せ」と言われ
私はそいつのお腹を枕にして
床で重なるように眠った。
 
あのカラオケで
先輩の膝の上で眠った時と比べて、
温かさはあっても
それはとても、恋とは呼べなくて

寂しいだけで

 

こうやって人は
生きていっているのだと思う。
身に覚えは、少しだけある。

 
あの男の子とのことは、木曜日だった。
夜、先輩からその話をしてきた。

そしていつか載せた、先輩からのメールにこう返した。
『たまに頭撫でてくれなきゃ嫌です。なんでしてくれないんですか?』

だって、
“いつでも頭ぐらい撫でてやる”って先輩は前に言っていて、つい先週も二人でいた時に撫でてくれたばかりだった。
なのに急に、撫でないなんて言うから。

それと誕生日の夜に家まで送ってくれた時、私のことをとても低く言うから「こう見えてもモテてたんですよ」と言い返したら
「お前がモテた? 東京はレベル低いんだな」
そう言って笑っていた。

だから、
『先輩が思ってるより私はモテるみたいですよ?東京都民だけでなく茨城県人も見る目あるんですね(笑)』
なんて付け足して、あの日メールを返していた。

先輩は起きていたはずだった。
だけど返事は翌日になっても来なかった。

 

金曜日は前から頼んでいたお米のことを送った。

流れた話だと思っていたけど、
「あいつが車出して欲しいみたいだから、付いてきてくれないか?」
と、友達がつい二日前に誘われていたことを知り、意を決してこっちから送ってみた。

『さっき行ったのに、遅かったな。残念』
いつものように冷たくそう返してきたけど、今日は違うって分かってたからこっちも食い下がった。

『うるせえな。知らねぇよ』
そう返信が来た時、話が違うと思った。
謝った後、どうして怒っているのか聞いたが返事はなかった。

すぐ後で、その時理由は分からないが先輩がヘコんでいたことを知った。
そのメールの後に先輩のバイト先に何人かで行ったけど、他の先輩には私の話をしていたらしい。

 
バイト先から帰る時、先輩の友達から色々話を聞いた。
その友達と話す度に、先輩の口から私の名前が出るらしい。

「そんなの、好きだって言ってるのが自分だけだからって、面白がってるだけじゃないですか」
「あいつもそこまでガキじゃないよ。もっとあいつのこと信じていいよ」

そう励まされて、家に着いてから先輩にメールした。

『今すぐじゃなくてもいつかは、先輩に私を信じて欲しいです。
だから私も、すべてじゃなくてもちょっとずつ、先輩のことを信じていきたいです。

もう、安直には謝らないようにします。むしろ、言い返しますからね!
少しは役に立ててるって信じます。そしたらそう簡単に謝らなくて済みますから。
先輩のこと、好きですから』

毎日のように振られていても
“好き”だとはっきり書いたのは、これが初めてだった。
けれどバイト中だったのもあって、返事はなかった。

 
そして土曜も、友達からアドバイスされたように明るい内容にしようと思って、
その日同じサークルの人から付き合ってもいいと言われた話を送った。
──その返事が、あの彼女のことだった。

 

もしかして、と今思う。
先輩は気にしているのではないか、と。
思い違いだったら恥ずかしい話だけど。

けれど、その先輩の友達や
家に行ったりして仲良い女の先輩方が何も言われてないのは、おかしくないだろうか?
私でさえ、やきもちを感じてしまうあの同い年の女の先輩も

彼女さんがやきもちを妬くのであれば、私だけじゃないはずだ。
先輩自身が元々そういうのを気にする人で、彼女が出来たら他の女性と接するのをやめる人だと知っているからこそ。

他の先輩方に言う機会がまだないだけかもしれないから、様子を見るしかないけれど。
同じ話をされたら、連絡が来るはずだ。

 
やっぱり、何かがおかしい気がする。
私以外にメールする人はいないはずだったし
同じ学科には男の知り合いしかいないはずだ。
お昼もサークルで食べている人なのに

ましてや、サークルがあった土曜に告白されるって何なのだろうか。
感想会の時、何度か目も合ったはずだ。
私の発言に突っ込みを入れようともしていた。

──避けるにはあまりにも、急すぎる。

 

そう思いたいだけなのかもしれない。
たとえそうであったとしても、避けられた理由を考えなくてはいけなくなる。

けれど、
あの人の隣に誰かが歩いてるのを見るより、百倍マシだ。

 

先輩は、私を試しているのではないか?
避けようというのではなくて。

だってあの湖も電話の日記も
公開した五分後には見に来てくれていた。

 
『本当だったら、受信拒否なり何なりしてくださいです。
送るのは、やめないです』
そう送って五分後に送ったあのメールは、ちゃんと届いていた。

 

結局私は今でも、先輩を信じたいのだ。
彼女と二人で歩くのを見ない限りは

 
泣いても号泣は出来ない。
だって違うって信じてしまっているから。
こんな私は、滑稽だろうか?

 

先輩に、『待ってます』って送ろうか迷ってる。
怖いのは、拒否られていることぐらいだ。
ストーカーちっくなのは、私をなつかせてしまった先輩も悪い。
先輩だって、ひとりが嫌だからこそ今まで私を手離さなかったはずだ。
──だって離れようとした時、謝ったのは先輩の方だった。
それもつい、二週間前の話だ。

 

試されているのなら
私は絶対、応える。
食欲湧かない
眠れない

 
会いたくない
けれど、会いたい。

 

たとえどんな理由でも
嘘であって欲しい
『私、待ちますから』

 

そう、送りたい。

 
強くなりたい。
あれ
何かおかしくないか?

 
どうして、あの先輩がその話を知らないんだ?

やきもちだとしたら
どうして、あの先輩方との仲は変わっていないんだ?
なのになんで、私だけが言われたんだ?

もし、本当だとしても
誰も分からない

 

もしかして
避けられ、た?
先に傷付けたのは
先輩を信じられなかった
私、だったんだ

 

あの日、
「朝から気分が重たかった」
そう言っていたのに

 
前を走る先輩を
自転車で後ろから追いかけて

笑顔で返されて
気付けなかった。

分かれなかった。
助けを呼んだら
九人ぐらい会ってくれそう。

 
俺って 幸せもんだね。
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