今頃

『バイトお疲れ様です。
届かないと思いつつ今日も送る自分は馬鹿でしょうけど。
でも、送ってしまうのです。

もう、あれから半月が経つのですね。
この前みたいにあからさまに避けられなくなって嬉しいです。
元々会話もしなかったし、以前に戻った感じがするのは気のせいですかね。
あと１０日待てばメールも、なんて。
都合のいいことばかり考えてしまっています。

昨日も、やきもちやいてしまったりして。
引かれると思って先輩に見せたことないですが、本当は私ものすっごくやきもちやきなんですよ。
私以外の人にもあんな風に頭撫でたり出来るからもしかして、なんて考えると悲しくなってきます。
なーんて。届かないからって何言ってるんだか。

　
先輩はメール出来ないことをなんとも思っていないし、このままがいいのかもしれませんね。
そうやって聞き分けのいいこと言っておいて、離れられないですけど…ダメですね。
相変わらず、私は先輩に縛られたままです。

　

前に自惚れないでくださいって言ってたくせに、本当はいつも金土の夜は早く寝といて夜中にメールしてたんです。
でも、今日はやめますね。

バイト頑張ってくださいね。
おやすみなさい』

　

届いてないのに馬鹿らしいメール
きっと今頃あの人は、何にも知らずにあのお店にいる。

　
もう終わりを告げた恋に
一人しがみつく私を
笑わないで

パスワード

このパスワードを解こうとしたのは
気にしてくれた証拠ですか？

見せられないけれど
実はすごく嬉しいです。

傷付けてしまったし
あの電話の後だったのに

先輩は私のことを気にかけてくれた。

　
それだけで、嬉しくて。

　

けれど、それももう一週間前で
先輩は、覚えていてくれますか？

まだ、気にしてくれていますか？

知ってたなんて

なんで先輩が、私の帰ってくる日を知っていたの？

日記にもあえて書かなかったし、
あの日のメールにも『早く帰ることにした』としか書かなかった。

なのになんで、
「いつ帰ってくるの？」という問いに答えられたの？

　

あの先輩から話を聞いていたのだとしたら
驚きと同時に、すごく嬉しい。
気にかけてくれたのですか？
私の話をしてくれたのですか？
忘れないでいてくれたのですか？

　

今はそんな素振りでさえないけれど
好きです。それだけは

　

今はただ見ているだけでも
あなたは忘れないでくれますか？

少しだけ

同じ空間にいてくれるようになっただけ、進歩かな。
少し前とそれほど変わらない。だって前だってお互い喋れてなかったから。
二人にならないと、話してくれなかったから。

　
サークル室から外にはまだ行けないけど
半月でこれだけ戻れただけすごいよね。

じゃああと十日、なんて
上手くはいかないけれど。

　

無駄にならないかな
それだけが怖いよ
このままずっと、変わらなかったら？

夏休みだけで、変われるかな。

　
怖いよ

他の子にも

ねぇ、先輩なら
買い物付き合うぐらい、誰にだってしますよね。

それと同じで
頼まれさえすれば
誰の頭だって撫でれますよね？

　

やっぱり、私だけが自惚れてたのかな

　
分からない。

　

「お前を見てると、撫でたくなる」
なんて、他の子にも言うのですか？
私、やっぱ騙されてるのかな
諦めた方がいいですか？

　
嫌、です。

やきもち、もしくは

『あ、まだ一緒にいるかもしれませんが、彼女には好きな人いるんでその人に誤解されるようなことしたらかわいそうですよ。

　

　

なんて言って、やきもちやいてるだけなんですがね。
先輩はやっぱ誰でもいいんだなぁって考えるとまた悲しくなってきましたが、ともあれそれ関係なしに彼女にあんま手出しちゃダメですよ。

おやすみなさい。』

　

　
起きたら、送信失敗になっていて良かったと思う。
結局ただのやきもちで

　
あの子と二人で何時までいたのだろう
彼女は違うって分かっていても
先輩は誰でもいいのかもしれないと、思ってしまう。
寂しい人だから、ぬくもりがあれば何だって

　
結局まだ私は
先輩を信じれていない。

今日も

『昨日は一応ごちそうさまでした。……気を遣われなくて嬉しかったですよ。逆に気を遣われたら何でもない後輩のようでショックでした。
今日も楽しかったです。先輩ってすごく優しい声をしてるんですね。

あ、あの件は実はケンカしてたんで仲直り出来て良かったです。本当にありがとうございました。
……一応フォローしときますが、彼はかわいい弟ですよ。
そして先輩はお兄ちゃんにも、いい先輩にもなってくれないとなると、それ以上になってもらえるようもっともっと頑張らなきゃと思ってます。

にしても、先輩以外どうでもいいって分かってもらえてると思って、あんな冗談言ったらダメでしたね。
というか、先輩の言っていることの本意を察しようとしないくせに、他の男に言われて有頂天になってる私を見たら、苛つくのも当たり前です。無神経なことした自分が本当に最低でした。
あ、この前待つって言ったのはあくまで彼女がいた場合ですからね！いないなら待ちません、追いかけます。
だからいつか直接謝らせてください。出来るだけ早く伝えたいです。

こんなメール、先輩に届いてないでしょうけど
でも、会えて嬉しかったです。

また送りますね。何度も。いつか届いたら、嬉しいです。

先輩、離れている間も少しぐらい私のこと覚えててくださいね』

　

伝えたいこと
たくさんつめて
今日も　届かないあなたに
一通のメールを送る。

七夕

『今日は七夕ですね。
こんな日は先輩に会いたいです。

　

今日先輩にすごく避けられて、悲しくなりました。
けれどそうされるぐらい、私は先輩の心に深く接していたのですね。
嬉しいです。

　
好きです。忘れないでくださいね』

　

どれくらい叫べば
あなたの心に届く？

あからさま

あんなにあからさまに避けられると、ね。

　

話しかけないから
普通にいてくれたっていいのに

会いたいだけなのに

　

顔さえ見るのも
辛いのですか？

知ってるから

それでも前と違うのは
“好き”という確信があること

あなたが想っていてくれたのを知ってること

だから、諦めないの。